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ケガを予防したいランナー必見!鍛えるべき筋肉がわかるおすすめ書籍!

「しっかりトレーニングをしているつもりなのに膝や腰が痛い」

そんな悩みをお持ちのランナーさん、多いのではないでしょうか?

今回は、痛みのせいで「走りたいのに気持ち良く走れないランナー」におすすめの書籍を紹介します。

ケガをするのは筋肉の使い方が関係している

ランニングでは、着地時に体重の3倍の衝撃がかかるといわれています。

そんな衝撃が何度も膝や腰にかかってしまったら、痛めてしまうのも当然ですよね。

ランニング初心者が体を痛めてしまうのは、長距離走を耐えられる体に仕上がっていないことが原因であることが多いです。

まずは、着地の衝撃に耐えられる体を作らなければいけません。

しかし、定期的にマラソン大会に出ている中級者~ベテランのランナーでも体のどこかに痛みを抱えていることが(株)アールビーズの調査で分かっています。

「ランニングによって痛みを抱えている部位」のトップが「膝」で、全体の30%を占めている。

腰が約12%、ふくらはぎが約10%と続き、特に痛みがないという回答者は、全体の約34%。

引用元:「ランナー世論調査 2016 結果発表」から引用

このデータからもわかるように、約6割のランナーが何かしらの痛みを抱えながら走っているということがわかります。

私も20代半ばからランニングを始め、30代からマラソン大会に出るようになりました。

ランニングを始めた頃は走ることにに必死で気づきませんでしたが、いつからか決まって右膝が痛むようになったのです。

毎回5km程度走ると右の足首に違和感を覚え、そのまま走っていると右膝に痛みが走るようになりました。

30代半ばからスポーツトレーナーの仕事を始めてからは、

  • 右膝がニーインしていること
  • 左足のアーチが低いこと

この2つが膝に悪さをしている可能性があると気付きました。

その後しばらくして出会ったのが、今回紹介する書籍『関トレ 関節トレーニングで強い体をつくる』です。

この『関トレ』という書籍では、ランナーはどこを鍛えるべきかという具体的な方法が書かれています。

私の周りでも痛みで苦しんでいる人が多く、少しでも多くの人に伝えたいという衝動に駆られて今回の記事を書きました。

筋肉をつければつけるほどケガをしやすい

『関トレ』の著者、笹川大瑛(ささがわひろひで)さんは、小学校時代から続けていた剣道で強くなりたいという想いから体に興味を持ち、理学療法士への道に進みました。

練習すればするほど競技力が伸び悩むという現実に直面し、理学療法士の仕事を通じて運動について研究していったのだそうです。

笹川さんは著書で、このように述べています。(以下抜粋です)

①痛み、ケガ、パフォーマンスの低下は、関節を守る筋力の低下が原因である。

②関節を安定させる筋肉は決まっており、ひとつの筋肉には2つの筋肉が関係している。

③関節を守る筋肉を鍛えていくと、痛みがとれたり、パフォーマンスが上がったりする。

引用元:関トレ 関節トレーニングで強い体をつくる  著者 笹川大瑛

このように関節が痛いのは関節のせいではなく、関節を支える筋肉が弱っていることが原因だと説明しています。

つまり、動かす筋肉だけ鍛えても「体を支える筋肉が弱いと体が耐えられない」ということ。

体幹トレーニングが重要だという話を聞いたことがある人も多いでしょう。

ストレッチと体幹トレーニングの関係性については、以下の記事で触れていますので参考にしてみてください。

『関トレ』でも、関節を支える筋肉が弱っていると、どんなに筋力が強くなってもコントロールできなくなると述べています。

例えば、車のF1マシンはエンジンのパワーに耐えられるボディやシャーシがないと、1周ももたず大破してしまうでしょう。

人が必死にウエイトトレーニングを行うのも、軽自動車用のボディやシャーシにF1用のエンジンを載せて走るのと同じです。

このままレースに出たら…火を見るより明らかですね。

体幹トレーニングも同じで、家を建てるときに基礎の部分がしっかりとできていないと、その上に家を建てても不安定になってしまいます。

見た目は美しくても、いつ崩れるかわからない家なんて住みたくないですよね。

体も同様で、体幹や関節を支える筋肉が弱った体は、弱い部分をカバーするために動かしやすい筋肉を使う「癖」ができていく。

すると、体が歪んだり姿勢が悪くなったりします。

日常生活では支障がなくても、いずれ膝や腰が痛くなる可能性が出てくるでしょう。

せっかく走ることが楽しくなってきたのに、痛みのせいで走るのが苦行のようになるのはもったいない。

そこでケガのリスクを減らし、体を楽に動かせるようにするために、書籍『関トレ』から「ランナーが鍛えるべき部位」を3つ紹介したいと思います。

1.腰を守る筋肉

ギックリ腰になったときに整形外科に行くと、「腹筋と背筋をやってください」と言われた人も多いのではないでしょうか?

確かに筋肉を鍛えるのは重要なことです。

しかし間違った方法でトレーニングをすると、ギックリ腰が再発します。

腰の痛みに耐えながら、真面目に腹筋や背筋に取り組んでいる人がいたら「絶対やめた方がいいですよ」と声をかけます。

それよりも姿勢を維持するためのインナーマッスルや、体を支える筋肉を鍛えましょう。

『関トレ』でも、腸腰筋を鍛えることで腰痛が緩和すると書かれています。

腸腰筋とは、腰椎と大腿骨をつないでいる「腸骨筋、大腰筋、小腰筋」という3つの筋肉を総称したものを指します。

その中の小腰筋は約半数の人が欠如しているといわれているため、「腸骨筋、大腰筋」の2つの筋肉を腸腰筋として考えていきます。

腸腰筋の役割は、主に以下の3つです。

  • 腰を安定させる
  • 骨盤を支える
  • 太ももを上げる

腸腰筋は体の深い場所にあるため、意識して使うことができません。

腸腰筋はデスクワークで同じ姿勢をしていると硬くなりやすく、姿勢が崩れて猫背の原因にもつながります。

腸腰筋はちぢんで硬くなると姿勢が悪くなるばかりか、お尻の筋肉が使えなくなります。

すると背中の深い部分にある多裂筋という筋肉が常に緊張している状態になり、反り腰の状態になってしまいます。

この姿勢からしゃがんで重い荷物を持とうとすると腹筋に力が入りにくいため、背中や腰に急激な負荷がかかってしまいギックリ腰を起こしてしまいます。

実際にギックリ腰になった人を仰向けにして、おへその横(大腰筋のある場所)を4本指で深くグッと押すと硬い人が多い。

大腰筋が固まっていて、だいたいの人が悶絶します。

そこで、大腰筋と腸骨筋を押しながら自力で股関節を動かしてもらうと、腰の痛みが緩和するケースが見られました。

初めてギックリ腰になったというクライアントさんも、腸腰筋を押しながら少しずつ自力運動をしてもらうと、3~4日で痛みが消えて普通に生活できるようになったんです。

腸腰筋はしゃがんだり立ち上がったりするときに重要な筋肉といえるでしょう。

スプリンターの腸腰筋が非常に発達しているといわれているのも、脚を振り出す際に重要な役割を持っているから。

つまり、腸腰筋をしっかり使えるようになるとランニングでもスムーズな脚運びができるんです。

2.膝を守る筋肉

腸腰筋が硬くなっている人は反り腰になっているケースをよく見ます。

反り腰の人の姿勢を横から見ると、膝をピーンと反らせて立っている人が多い。

これは反張膝と呼ばれています。

反張膝の人に「もう少し膝を曲げてゆるめて立ってみてください」と伝えると、「何か変な感じ」と決まって言います。

反張膝の人が膝を曲げたとき違和感があるのは、膝を守る内側ハムストリングスの力が弱まっているから。

ハムストリングスとは、裏ももの筋肉のことです。

つまり、膝を伸ばすときに使う太ももの筋肉を緊張させる癖がついている。

膝をゆるめると内側ハムストリングスが使えないから疲れてしまうんですね。

このように弱った筋肉をカバーするような動きを「代償動作」といいます。

横から見た正しい姿勢とは、以下の5点が一本の線で通っている状態です。

  • 大転子(股関節の付け根)
  • 膝関節の前部
  • 内くるぶし

このどれかがずれていると、使えていない筋肉があると考えます。

内側ハムストリングスが弱ってくると、大腿筋膜張筋というももの外側の筋肉を使ってカバーするため、反張膝や反り腰の人の太ももを見るとパンパンになっている人が多い。

すると、足が太く見えてしまうんですね

また、ランニングの際に膝が内側に入らないように大腿筋膜張筋を使うため、膝の外側を痛めやすくなり、さらに脚が太くなってしまいます。

内側ハムストリングスと内転筋を使えるようになると、太ももの前面と外側の緊張が抜けるため、脚が引き締まって美脚効果が期待できます。

内側ハムストリングスと内転筋を使えるようになると、お尻もしっかり使えるようになるので、ランニングの振り出し動作もスムーズになります。

3.足首を守る筋肉

ランニングでは、体重の約3倍の衝撃がかかるとお伝えしました。

フルマラソンに出場すると、1歩が約1mとして4万回以上もの衝撃が足に繰り返しかかる計算になります。

しっかり準備をしないと、体のどこかを痛めるのは目に見えますよね。

ましてや完走後にしっかりケアしないと、筋肉に疲労が蓄積するのも当然です。

その中でも、足裏や足首には相当な衝撃がかかります。

足の裏が痛くなる足底筋膜炎や、すねの内側が痛くなるシンスプリントなど、足首周辺のトラブルを抱えている人も多いでしょう。

巷ではクッション性の高いシューズや足裏のアーチをサポートするインソールなど、様々なグッズが販売されています。

しかし、どんなに高性能なシューズやインソールを使用しても、根本的な解決にはなりません。

足裏のアーチが低くなる偏平足をインソールで補っても、偏平足をカバーするために膝や股関節の筋肉が「代償動作」を起こすので、他の箇所の故障につながります。

つまり、本来人間が持っている体の動きに直さないと、本当の解決にはつながらないんですね。

本来の動作をサポートするために高性能なシューズやインソールを使うのはいいことですが、道具に依存するのはよくありません。

ここで『関トレ』では、後脛骨筋と腓骨筋の2つの筋肉を鍛えることが重要だと述べています。

後脛骨筋はすねの中央から内側寄りにある筋肉のことで、鍛えることで偏平足や外反母趾の改善につながります。

また、重心が内くるぶし寄りになるため、地に足がついたような感覚が得られるでしょう。

もう一つの腓骨筋はすねよりも外側にある筋肉で、長腓骨筋・短腓骨筋・第3腓骨筋という3つの筋肉を総称して腓骨筋と呼び、弱ってくると捻挫しやすくなります。

後脛骨筋、腓骨筋ともにバランス良く使えるようにするのがポイントです。

カーフレイズやチューブを使ったトレーニングでは、ヒラメ筋や腓腹筋などの大きな筋肉に力が入りやすく、後脛骨筋や腓骨筋を使いにくい。

一方で『関トレ』は後脛骨筋と腓骨筋だけを意識して鍛えることができます。

さらに『関トレ』を行った直後から筋肉をしっかり使えるようになるため、ランニング前やレース直前に行うのもおすすめです。

筋肉をバランス良く使えるようにしよう

筋トレに励んでいる人やマラソン大会に向けてランニングをしている人が『関トレ』を実践すると、「物足りない」と感じる人も多いはずです。

実際、私もそうでした。

(2019年6月5日に加筆)

※2019年6月4日に笹川大瑛さんのセミナーに参加させていただき、実際に関トレを行ったところ、翌日スキーから帰ってきたときのような筋肉痛になりました。

12箇所の筋肉それぞれに正しく力を入れることで、今まであまり使ってこなかった筋肉に刺激を加えることができます。

まずは力を入れる筋肉を意識しながら、正しいフォームを意識してやってみましょう。

『関トレ』で書かれていることを一言でまとめると、「筋肉量を増やすのではなく、筋肉の役割配分を整える」ことといえます。

今まで使えていなかった筋肉を目覚めさせて、即戦力として働いてもらうようなイメージでしょうか。

会社の求人で「中途採用」といえばわかりやすいでしょう。

入社したばかりの新入社員(筋肉)に『関トレ』で動かし方を教育すると、既存のベテラン社員(筋肉)のようにバリバリと働けるようになる。

元々働いていたことがある筋肉なので、コツをつかめば覚えは早いはずです。

すると会社全体(体)で大きな仕事ができるようになるでしょう。

しかし、中途入社の筋肉がある程度働けるようになると、ベテランの筋肉が働かずにサボってしまうこともあるかもしれません。

そんなときのために体という組織のマニュアルとして、『関トレ』を手元に1冊置いてみてはいかがでしょうか?

著者の笹川さんがブログで、以下のような趣旨のことを述べていました。

「治療家の技術があることよりも、自分自身でしっかりとケアできることを伝えていく方が大切だ」

これを読んで、私も同感だと思いました。

スポーツトレーナーや治療家は、あくまでもクライアントさんが自分で体や心をコントロールできるように見守ってあげる存在であってほしいと思います。

スポーツトレーナーや治療家にクライアントさんが依存してしまうと、トレーニングの効果も出にくく、ケガの治癒にも時間がかかってしまうことが多い。

私も「クライアントさんが必要な情報を、必要なときにそっと差し出してあげられる良き伴走者のようなスポーツトレーナーでありたい」と思いました。

痛みで思うように走れない人やケガから復帰したい人は、笹川さんの『関トレ』をぜひ読んでみてください!

気持ちよく走れるようになったら、以下の記事も読んでみるとよりランニングが楽しく感じるようになるはずです!

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